カロミルコネクト導入事例

肝硬変患者研究に「カロミル」を導入
~肝硬変患者の栄養指導をサポートし、
食生活への意識改善に貢献~

獨協医科大学埼玉医療センターHPより

「カロミル」導入事例をご紹介

獨協医科大学埼玉医療センターは、患者が人工知能を活用し、毎日食事内容を記録することでもたらす肝硬変患者への影響についての調査を目的とした研究を実施。在宅治療中で研究対象者本人の文書同意が得られた36歳から80歳まで(平均年齢58.6歳)の肝硬変患者10人(内訳は男性3人、女性7人)を対象に、1週間カロミルを使用して検証を行いました。

患者の食事状況を医師や栄養士が把握し、各患者に合わせた栄養指導が可能に

食事・運動・体重のデータを管理する、健康管理アプリ「カロミル」は、特許技術の「カメラロール解析」により、スマートフォン搭載のカメラで写真を撮りためておけば、毎回アプリを開かなくても自動で画像を解析できるのが最大の特徴。

導入の背景

カロミル導入以前の肝硬変患者の治療では、一般的に薬物療法と栄養治療を中心に行っています。中でも栄養治療に関しては、患者が自己申告した直近約1週間分の食事内容を管理栄養士が面談しつつ、指導していました。

ただ、面談時には摂取カロリーおよび栄養価の算出をしていると、本来行うべき指導の時間が少なくなってしまいます。加えて、患者の記憶に頼った食事内容の確認のため、医師や管理栄養士は詳細な栄養状況を把握することが難しいという課題もありました。

処方薬投薬画面

そこで、より個人に合わせた栄養指導を行うために実施された「人工知能を用いて肝硬変患者が摂取した食事を自動的に解析した際の、患者の受け入れ状況と人工知能の解析能についての研究」に活用するアプリとしてカロミルの導入が決定しました

今回取材にご協力いただいた、獨協医科大学埼玉医療センター消化器内科玉野正也教授も、「今回の研究で利用するツールを探す際に最も重視していたのが、『スマホやタブレットを使ったことのない世代でも利用しやすいこと』でした。その点カロミルは、写真1枚で簡単に毎日の食事の記録や栄養価を計算できるので、患者が薬を飲むタイミングにあわせて手軽に利用できると思い、採用を決めました」と話されています。

「カロミル」を活用した治療について

患者の特徴

対象者(36歳~80歳)は全員ヘルスケアアプリを使った経験はなく、食事面は30~40代の患者は外食やテイクアウトが多く、50代以上は自炊が多いのが特徴です。

研究における「カロミル」の活用

  • ① 主治医から研究内容と治療について説明
  • ② サポートスタッフから「カロミル」について紹介し、アプリ搭載のiPad miniを貸与
  • ③ 1週間カロミルを使用。患者は、薬を飲むタイミングなどに記録
  • ④ 入力していない対象者には、治療の際に声掛け
  • ⑤ 1週間経過後、アンケートを取得

栄養指導の内容

他の疾病と大きな違いはなく、たんぱく質を必要量摂り、カロリーは摂取基準内に抑えるように指導されていたそう。その中でも特に注意するよう呼び掛けたのが、減塩です。40代以上の女性は家族の味付けに左右されるため、塩分調整に難しさを感じる方が多く、若い世代も外食することが多いため、塩分過多になる傾向にあったそう。そのため、カロミルで塩分摂取量を確認しながら、栄養指導を行いました。

実際の導入を通し、患者の食事管理に対する意識も向上

検証の結果、「人工知能を用いた栄養指導を受けて良かったか」「栄養指導後に、食生活の改善を意識するようになったか」という質問に対して、10人全員が「はい」と回答。また「従来法と比べて栄養指導は充実していたか」という問いに対しても、7人中全員が「はい」と回答しており、カロミルの活用により、個人に合わせた丁寧な栄養指導を行うことが可能となり、患者の食事管理に対する意識も向上したことが分かりました。

また現在、脂肪肝患者へのカロミルの導入も検証中とのこと。玉野正也教授からは、「脂肪肝の研究では、患者の多くが若年層(30~40代)でスマホ世代のため、肝硬変での検証よりも順調にできています。すでに30人にカロミルの導入を実施・検証しましたが、検証をリピートしてくださる方もいるので効果が出やすいのではないかと感じている」とコメントいただきました。

ライフログテクノロジーの印象

左:玉野 正也 先生、右:大川 修 先生

「IT企業と共同研究を行ったのは初めてでしたが、代表の棚橋さんがカジュアルで非常に話がしやすかった印象です。またフットワークも軽い方だという印象を持ちました。我々の要望も一つ一つ誠実に対応してもらえたので、好印象でした」と玉野教授。

導入を終え、玉野教授は「課題としては、高齢者患者のカロミル記録時にイレギュラーなことが起こった際の対応力です。

例えば、若者はアプリ内に該当するメニューがない場合は他のメニューで対応しますが、高齢者はピンポイントに自分の食べたメニューがないと記録を諦めてしまうことが多々ありました。また自身の食事の写真を撮ることに、照れや抵抗がある方もいたようで、今後研究期間を延長して実施する際は記録の継続率を保つことも課題になると感じました」ともコメント。

当社では、この様なユーザーや取引先様からの意見を元に、誰でも利用しやすいアプリとなり、我々のミッションである「健康寿命を太く、長く」を多くの方が達成できるようアップデートを常に続けています。

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